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Special:第一章 銀河帝国篇 スペシャル

スペシャルインタビュー「銀河英雄伝説」のつくりかた」/[原作者]田中芳樹×安達裕章[らいとすたっふ社長]

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■計算と計算違いと・・・。
さきほど、試行錯誤という言葉を使いました。当時も、それなりに計算はしたんです。ただ、計算をして、いつも最適なこたえが導き出せるかというと、それは違うんですね。もちろん、書いている本人はそれが最適だと思って書くわけです。でも、それが読者の皆さんに喜んで貰えるかというと、そんなに甘くはない(笑)。
ー計算違いも多かったですか?
いちばん端的な例を挙げるとすれば、オーベルシュタインの犬です。こんなに喜んで貰えるか、と、意外に思いました。
ーちょっと驚いた?
驚きましたし、勉強にもなりました。
ー「銀河英雄伝説」のなかに、その勉強した成果を使って書いた部分というのはあるんでしょうか。
それが、実はないんですよ(笑)。同じことを繰り返して読者の人に喜んでもらえるとは思えないし。たいした才能があるわけでもないのですが、最初にドジョウが捕れたなら、次はウナギを捕ろうというくらいの欲はありますのでね(笑)。
ー今回の舞台化で、いままで「銀河英雄伝説」を読んだことがない方も劇場に来られると思います。そういう方に、なにかメッセージはありますか。
それはもう、舞台は舞台で完成されていますので、それを楽しんでいただくのが一番でしょうね。そういう方は、ある意味、先入観なしで鑑賞できるわけですから、かえって純粋に楽しんでいただけるのではないでしょうか。
ー今回は、ラインハルトとキルヒアイスの二人にスポットライトを当てて舞台作りをされているようです。そのあと、同じように同盟軍のヤンたち、帝国軍の双璧、という具合に、公演を重ねることで、「銀河英雄伝説」のキャラクターを次々に描いていくようですね。
もともとが本人も呆れるほど長くなってしまった作品ですから、舞台化するのであればそういうやりかたが良いのではないかと思っていました。72時間連続で公演をして、観客どころか役者さんまで救急車で運ばれるようなことになっては大変ですからね(笑)。
ーたしかに、それは厳しいですね。
ちょっと前の映画で「レッドクリフ」というのがありました。「三国志」というのは、ご存じのように長大でスケールの大きな作品ですが、映像化にあたっては、印象的な部分を切り取って、ミクロな視点からマ クロな世界像を感じ取ってもらえるように描いていたと思います。
ーそうですね。
そうでもしないと、大河ドラマの総集編みたいな映画になってしまったでしょう。ですから、今回の舞台化で「レッドクリフ」同様、ミクロな視点からマクロを描く方法を取るとお聞きして、大変納得しました。
ーでも、女性がいないんですよ。
ううん、将来こうなると知っていましたらねぇ(笑)。私も商売っ気のない人間ではないので(笑)、要所要所に女性を配したことでしょう。
ーなるほど。。
だから、あの頃の私は純粋だったんでしょう、きっと(笑)。
ーそうですかねぇ(笑)。
ただですね。私が「銀河英雄伝説」を書き始めた頃と今というのはずいぶん世の中が違います。いまでは戦う女性キャラクターというのは、珍しくもなんともないのですが、あの頃はあまり一般的ではなかったんですよ。「エイリアン」は、まだでしたよね。
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舞台「銀河英雄伝説」シリーズ

第一章 銀河帝国篇外伝 ミッターマイヤー・ロイエンタール篇外伝 オーベルシュタイン篇第二章 自由惑星同盟篇
撃墜王輝く星 闇を裂いて第三章 内乱初陣 もうひとつの敵第四章 前篇 激突前夜第四章 後篇 激突星々の軌跡

原作:田中芳樹「銀河英雄伝説」シリーズ(創元SF文庫刊)