舞台 銀河英雄伝説 | 初陣 もうひとつの敵

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Story:初陣 もうひとつの敵 / ストーリー

 いまから1500年未来。人類は銀河系全体に足あとを残していたが、その版図は、皇帝を頂点とした専制君主制をとる銀河帝国と、民主共和制をとる自由惑星同盟の二つに分かれていた。両者の抗争は、すでに150年の長きにわたっていた。
 戦争がこれほど長引いた要因のひとつに、帝国軍が建設したイゼルローン要塞の存在があった。それは鉄壁の防御と強大な火力を備えた直径60キロの人工惑星で、文字通り難攻不落の要塞だった。この要塞 が、銀河帝国領と自由惑星同盟領を結ぶ回廊にある限り、自由惑星同盟軍が帝国領に攻め込むことは不可能だった。

 そしていま、自由惑星同盟軍は新たな戦術をもとに、五回目のイゼルローン要塞攻略作戦を開始した。五万隻の艦艇を率いる総司令官シトレ大将の副官は、 ヤン・ウェンリー少佐であった。もともと歴史学者志望であった彼は、戦争の愚かさを存分に知る立場でありながらも、その用兵術は高く評価されていた。
 一方、迎え撃つ銀河帝国軍には、ラインハルト・フォン・ミューゼル少佐がいた。下級貴族の家に生まれた彼は、現在一六歳。六年前、姉が皇帝の寵姫として 後宮に治められたことをきっかけに軍籍に入り、以後、幼なじみの親友、ジークフリード・キルヒアイスとともに武勲を重ね、栄達の階段を駆け上っている。

 ラインハルトの姉、アンネローゼは、つねに控えめな態度を崩さなかったが、皇帝の寵愛を独占したことは、多くの羨望と嫉妬を呼ぶ。ことに、アンネローゼ の登場によって、皇帝の愛を失うことになったベーネミュンデ侯爵夫人の怒りは激しかった。
 彼女は憎きアンネローゼのみならず、弟であるラインハルトをも亡き者にすべく陰謀を企てる。

 謀略の糸が張り巡らされるなか、自由惑星同盟軍のイゼルローン攻略作戦が開始される。ラインハルトは罠から逃れることが出来るのか。そして、イゼルロー ン要塞攻略作戦の結末は。ラインハルトとヤン、歴史に名を残した二人の若き日の戦いが、ここに。

舞台「銀河英雄伝説」シリーズ

第一章 銀河帝国篇外伝 ミッターマイヤー・ロイエンタール篇外伝 オーベルシュタイン篇第二章 自由惑星同盟篇
撃墜王輝く星 闇を裂いて第三章 内乱初陣 もうひとつの敵第四章 前篇 激突前夜第四章 後篇 激突星々の軌跡

原作:田中芳樹「銀河英雄伝説」シリーズ(創元SF文庫刊)