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Special:第一章 銀河帝国篇 スペシャル

スペシャルインタビュー「銀河英雄伝説」のつくりかた」/[原作者]田中芳樹×安達裕章[らいとすたっふ社長]

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ーなるほど。そこからあの、持って回った様な言い方が生まれたんですね。
典雅な、と言ってくれると嬉しい(笑)。
ーはいはい、典雅な(笑)。
この文語的な表現の面白さが、読者の皆さんに支持していただけたというのは、とても嬉しいことですね。
ーたしかに、帝国軍の将官どうしの会話というのは、あまり一般的な会話に聞こえませんからねえ。「陛下の宸襟を騒ぎ奉り」とか(笑)。
全部の発言が公的な発表のように聞こえますね。
ー相手への呼びかけに使う「卿」と言いますが、最初にその文字を目にした編集さんは、なにか言ってませんでしたか?
それはなかったですね。
ー田中さんは面白くないかも知れませんが、私は「銀河英雄伝説」の刊行当時、15歳くらいでして。あの表現が逆に新鮮に感じられたのを覚えています。あの当時、田中さんはおいくつでしたっけ?
29歳の時ですね。出版されたのは30歳になってからですけど。
ー20代で、あれを書いたんですねえ。その素地というか、書くうえで参考にされた作品というのは何かあるのでしょうか。
はっきりとした作品名は覚えていないのですが、古典文学の一つにこういう言い回しをした作品がありまして、私じしん新鮮な印象を受けたことを覚えています。
ーその作品名は覚えてらっしゃらない?
ちょっと憶えてないですね。
ーそれは残念(笑)。
それと、軍隊での特有の言い方というのがあるでしょう?昔の日本軍をモデルにしてしまうと、「貴様と俺」という感じになる。これはちょっと避けたかったんです。それで、いろいろと試行錯誤をしているうちに、いまのような呼び方になったということもありますね。
ーなるほど。「銀河英雄伝説」を英訳したとすると、両陣営とも相手への呼びかけは「you」なんでしょうかね。
英語でも、一応はもったぶった言い方、というか、文語的な言い方があったはずですよ。「Your Majesty」とか。
ーなるほど。。
ですから、英語にするのであれば、帝国側はシェークスピアが書いたような表現、同盟側はスティーブン・キングやD・R・クーンツが書いたような表現にすれば雰囲気も出るのでは、と思いますね。例が大きすぎて恐縮ですが。
ーもし、翻訳が出るのであれば、そういう感じでお願いしたいですね。
ええ。あくまでもお願いで、要求ではありません(笑)。
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舞台「銀河英雄伝説」シリーズ

第一章 銀河帝国篇外伝 ミッターマイヤー・ロイエンタール篇外伝 オーベルシュタイン篇第二章 自由惑星同盟篇
撃墜王輝く星 闇を裂いて第三章 内乱初陣 もうひとつの敵第四章 前篇 激突前夜第四章 後篇 激突星々の軌跡

原作:田中芳樹「銀河英雄伝説」シリーズ(創元SF文庫刊)