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Story:第二章 自由惑星同盟篇 スペシャル

舞台 銀河英雄伝説 ニコファーレ会談 [原作者]田中芳樹×河村隆一[ヤン・ウェンリー役]

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紫・・・河村隆一 / 赤・・・田中芳樹先生   ※MC ニッポン放送 吉田尚記
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田中芳樹×河村隆一
宇宙の大戦ということで、実際に望遠鏡を覗いてですとか、お書きになる際に結構勉強されたんですか?
そうですね。歴史ものはずいぶん読みました。あとは科学ものに関しては、いまもそうですけれど、ついこの前冥王星が惑星から外されたりして、まだまだわかっていないことが多いですよね。一応、宇宙船同士の戦いというのが存在したとしたらどうなるかという本が2冊あったので読んでみたら、まったく反対の事が書いてあったので・・・。
反対だったんですか?
反対だったんです。あっという間にすれ違って、すごいスピード感があるだろうというのと、それぞれにスピードを出してやっているんだから、相対的にスピードが0になって、延々と並んで撃ち合ってみたいなことが書いてあるんです。なので、これは場面ごとに書き分ければいいかなと思うのと同時に、何を書いたって実際に見たヤツはいないんだからいいやと思ったわけです(笑)。
ヤンはお父さんが骨董品を持っていたけど、実際には偽物が多かったと死後に気づいたり、本来なら引きこもってしまうほどの人生だと思うんです。でも、ヤン・ウェンリーを、紅茶を楽しむとか、明るくお書きになったところも、素晴らしいと思いました。
キャラクターを作る時には何かにこだわらせた方がいいんです。完全無欠に見えるのに実は変な弱みを持っているなど隙がある。ヤン・ウェンリーの場合には、紅茶を偏愛していて、コーヒーなんか嫌いだと、そういう風に持っていったわけです。
先生も紅茶が好きで、コーヒーが嫌いだというのはありますか?
一頃そう思われていまして、喫茶店でコーヒーを頼んだら「裏切り者!」みたいな目で見られたことがあります(笑)。いまは、ちょっと病気にかかりまして、コーヒーも紅茶も、カフェインは禁じられてるんですよ。ですから、いまは公平にどちらも駄目ということになってます。
これからお書きになる作品には、またそういう英雄が生まれるのかもしれませんね。
そうですね。ただ、作品も登場人物もそうですけれど、やっぱり生き物なので、全部こっちがコントロールしようとすると絶対駄目なんですね。
作家の、ご自身でもそうなんですか?
はい。なんというか、ちょっと失礼な言い方になるとまずいんですけれど、新人の映画監督さんみたいな気分でしょうか。ベテランの俳優さんに、ここはこうやってというと、「うるさい。俺には俺のやり方があるんだ」と聞いてもらえないというか、そういったことはいくらでもあります。
ご自身でお書きになって育てていったキャラクターでも、首を縦に振ってもらえないという場面が生まれるんですか。
そんな場面ばかりですよ。
すごく面白いですね。ヤンもそういう途中から手を離れたといいますか、どこかの瞬間から、方向が自分に伝えてくるような擬似的な感覚になったということも、おありだったんですか?
その瞬間というのはわからないのですが、後になってみると、いつのまにか遠くで日向ぼっこしていて、「出番だよ」と言っても出てきてくれないとかはしょっちゅうです。
感動しますね。作品が生き物になって、どんどんと未来を紐解いていくんですね。
こんなはずではなかったのに、ということが何度もありました(笑)。
先生にとって愚問かもしれないんですけれど、同盟と帝国に生まれるとしたらどちらに生まれたいですか?
うーん。原作者の立場って、学校の先生みたいなもので、クラスのどの生徒が贔屓ですかと言われても答えられないんですね(笑)。本当はアイツが嫌いなんだけれどもと、思っていても絶対にいえないという(笑)。
すいません愚問でした。
いいえ。おそれいります。本当に望外のことで、今でも信じられないという思いがしております。
こちらこそよろしくお願いします。
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舞台「銀河英雄伝説」シリーズ

第一章 銀河帝国篇外伝 ミッターマイヤー・ロイエンタール篇外伝 オーベルシュタイン篇第二章 自由惑星同盟篇
撃墜王輝く星 闇を裂いて第三章 内乱初陣 もうひとつの敵第四章 前篇 激突前夜第四章 後篇 激突星々の軌跡

原作:田中芳樹「銀河英雄伝説」シリーズ(創元SF文庫刊)